3つのお願い





〜、今日誕生日だろ。なんかくれ」
「何で私が;」

人の家に入るなり俺様全開なデスマスクには頭を抱えた。
当の“俺様”デスマスクはずかずかと部屋の中へ入ってソファへどっかりと腰を下ろした。

「それで、今日誕生日を迎えた私はデスマスクさんに何を差し上げればよろしいので?」

は苦笑しながらデスマスクに尋ねる。

「まぁ待て。最初のは冗談だ」
「貴方が言うとそう聞こえません」
「とにかく聞けって」

そういうとデスマスクはズボンのポケットを探って1枚のコインをに見せた。

「ここにコインがある。これを投げてお前が表か裏か当てられたら俺がお前の言う事を3つ聞いてやる。外したら俺の言う事を2つ聞け」
「…なんか納得いかないんですけど」
「お前にもチャンスを与えてるんじゃねーか。それに外しても俺の権利は2回だけだ」
「そもそも何故デスマスクに権利が………いえ、もういいです」
「じゃあ何を言うか考えろ。言っとくが俺が出来る範囲の事じゃねーと却下だからな」
「『シオンに喧嘩売ってみて下さい』とかダメですか?」
「出来る範囲って言ってるだろ」

デスマスクが結構本気で焦っている様子だったので、は苦笑しながら3つのお願いを考えた。

「よし、決まりました!」
「じゃあ投げるぞ」

デスマスクはコインを高く放り投げた。
コインはくるくる回り、再びデスマスクの手の中に収まった。

「表か裏か?」
「うーん…じゃあ裏!」
「本当にそれでいいんだな?」
「う…;」

の決意をぐらつかせるようにデスマスクがニヤリと笑って言うと、は少したじろいだ。
そして。

「どうだ?」
「ファ、ファイナルアンサー!!」

の言葉に、デスマスクはやれやれという表情で手を開いた。

「やったー! 裏だから私の勝ちですねっ♪」
「チッ」

舌打ちはしたものの、の喜ぶ顔を見てデスマスクは思わず苦笑した。

「ほらよ、1つ目、言ってみな。聞いてやるよ」
「はーい♪ それじゃあ3回まわって『ワン』って言って下さい」


・・・・・・間。


「………マジかよ;」
「マジですv」

いきなりたじろぐデスマスク。にっこりと笑う

「………(くるくるくる)…………ワン
「うわ、ホントにやった」
「気の毒そうな目で見るんじゃねえ!!」
「あははははは!! えっと、じゃあ次は〜」

は心底可笑しそうに笑って、辺りをぐるりと見渡す。
そしてふと1点に目を留めた。

「じゃ、あの椅子取ってきて下さい」
「あァ? それくらい自分でやれよな」
「これが2つ目なんです!」
「もったいねー使い方しやがって…。ほらよ」

は満足そうに笑って、椅子の上に立ってデスマスクの顔をじっと見た。

「ちょっと…高いかな?」
「何が」
「目線です。椅子に乗ったら私のほうがちょっとだけ高くなっちゃいましたね」
「それが何だ?」
「あの…私、今までデスマスクが見てきたものとか、分からないからせめて目線だけでも合わせたいなって」
「………ったくお前は」

デスマスクは呆れたような照れたような顔をして、ひょいとを抱き上げて自分の目線と同じ高さにする。

「ほらよ、これで同じ目線だ」
「重くないですか?」
「かなり重い」

デスマスクが冗談めかして言うと、は自分で聞いたにも関わらずデスマスクの頭を軽く叩く。
そして子どものように抱かれたまま、またぐるりと辺りを見渡した。

「へえ…デスマスクの目線だと私の部屋ってこんな感じなんですねぇ」
「満足か? 3つ目はどうする?」
「それは1番初めに決めてました」

そう言って笑うと、はデスマスクの首に腕を回し、しがみつくようにして耳元で囁いた。

「貴方の心を、私に下さい」
「………」

デスマスクはからそんなことを言われるとは思っていなかったので、さすがに驚いて赤面した。

「…………それ反則……///」
「ダメですか?」

が顔を離して瞳を覗き込むと、デスマスクは一層赤面して顔を背けた。

「バァカ。今更言われなくたって、とっくにお前のモンなんだよ(小声)」
「ふふふ、じゃあこれで3つ全部です」

嬉しそうに笑ってもう一度抱きついたに苦笑して、デスマスクは少し強く抱き返す。

「…安上がりだなお前は」
「へへへ…♪」




天架海門様よりいただきました。デスドリームです!
「なんかくれ」って格好いいなあ・・・問答無用のコイン投げも格好いいなあ・・・
そしてそれに負けるところが最高愛しいです蟹。愛してるよダーリン。
俺様なデスマスクに
3べん回ってワンを言わせるこの快感・・・!
しかも「ワン」がすごい小声。なんて可愛い人なのかしらー!!
大事な事も小声で言いますしね!顔背けて思いっきり目線逸らしてますしね!絶対耳まで赤くなってるとみた!
いいなあ、デスマスクvvv結婚してイエスノー枕でからかい倒したいvvvv
心を下さいとお願いして赤くなるデスマスクなら、こっちが密かに
イエスノー枕とイエスノー掛け布団とイエスノー敷布団とイエスノーパジャマを装備して全面イエスにして寝ていたら絶対ひるむ・・・vvvvv 逆に全面ノーになってたらえらい落ち込む。半々になっててもひるむだろうな・・・フフフ・・・
ああ本当に嫁に行きたい。これ以上年取らないうちにはやくもらって下さい。頼むよデスマスク(無理だよ)。

天架海門様、素敵なプレゼントをどうもありがとうございました!


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