俺の愛をくらえ




 萌えを語らせてください。

 うちの山羊はいい加減にしろとかなんとか言いつつも、結局誰より魚を甘やかしています。一応山羊の言い分としては、蟹があんまりひどいからつい・・・ということになっていますが、しかし、「うう、シュラ、クリスマス前なのにデスマスクが浮気した・・・・だからティファニーのリングを買ってくれ」などと言われて押し切られてしまっては、もはや蟹以前の問題で己の精神鍛錬が足りないのでしょう。少し精進するべきです。

 対して蟹の方ですが、聖闘士としての修行は真面目にやってんだかやってないんだかわからない彼も、その手の精神鍛錬ならばシュラより100倍場数が上。甘やかされて浮かれあがった魚を生け簀に叩き戻すべく厳しい躾を行います。
 遊んで帰ってきたばかりの疲れた体に「デスマスク!シュラはティファニーを買ってくれると言ったのだ。だから君も何かくれるべきだと思う。破産しそうな額のダイヤの首飾りを買ってくれ」と世迷いごとをほざいてきてくれた魚に、彼は拳骨を一発落としてやりました。
 
 しかし蟹にも愛はあります。

 ・・・で、その愛の表現の仕方がですね。
 怪我させるのは嫌だから、魚に拳骨お見舞いする前にはさりげなく指輪だけは外しておくとかね。
 そういう優しさなのですよ。わかりづらいよ馬鹿野郎。

 上の絵はそんな風に拳骨落とした後、一直線に磨羯宮へ遠ざかって行く泣き声を背中に聞きつつ指輪をはめなおしているデスマスクの姿です。
 そろそろアフロディーテだけではなくシュラにもガツンと言ってやらねばと思っている、珍しくしっかり者の蟹です。




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