むかしあるところにアイオロスという王様がいました。王様にはサガと言う名のお后がいました。お后の美しさは世界に比べるものがないほどでした。
 ところがあるときそのお后が病気にかかってしまったのです。お后はもうじき自分が死ぬような気が猛烈にしましたので、病床に王様を呼んで最後の頼みごとをしました。

サガ「私が死んだ後でもう一度后を迎えるなら、私と同じぐらい美しくて私のような豊かな白い髪を持っている奴で無ければならん。このことだけはきっと約束してくれ」

 執念です。王様が約束すると、お后は目を閉じて死んでしまいました。



 王様は長い間悲しんで、二度目のお后を迎えようとしませんでした。しかしとうとう家来達が、

デス「いいかげん再婚しろよ。世の中女は一人じゃねえよ」

 などと言い出したので、仕方なく使いの者を四方八方につかわして、死んだお后と同じくらい美しい花嫁を探すことになりました。
 それは容易なことではありませんでした。お后ほど美しい女の人はどこにもいません。ようやく探し出せたと思っても、その髪は決してお后のような豊かな白髪ではありませんでした。
 こうして、誰の思うとおりにもならないまま月日ばかりがたっていきました。
 王様には王子が一人ありました。名前をカノンと言いました。カノンの美しいことは死んだお后にそっくりで、おまけに髪まで真っ白でした。
 カノンが大人になったある日、王様は彼を見て、死んだお后に何から何までそっくりなことに気づきました。そして急に王子が可愛くてたまらなくなったのです。
 王様は家来を集めて大宣言しました。

ロス「俺は俺の息子と結婚する。カノンは死んだサガに瓜二つだ。あいつの他に死んだ后と同じ妻を見つけることはとてもできないだろう」

 ・・・家来は仰天しました。そりゃそうでしょう。

デス「待て!親父が自分の息子と結婚することは許されてねえ!いろんな意味で!!」

と必死に王様を止めましたが聞き入れられません。
 当然のことながら、王の決意を聞いた時のカノンの驚きようは家来達よりもさらに凄まじいものでした。何をトチ狂ったんだ親父。全身冷や汗ものです。
 けれど、父王にその考えを捨てさせることができるのではないかと思いましたので、彼は王様に向かって、

カノン「・・・あんたの望みをかなえてやるには条件がある。俺にまず三つ重ねの着物をくれ。一つは太陽のように金色の光を放ち、一つは月のように銀色の光を放ち、もう一つは星のようにとりどりに輝くのをだ。それから千種類の毛皮を集めて外套を作ってくれ。この国に住む獣という獣から少しずつ皮をもらわなくてはならんぞ」

といいました。
 そして、とてもそんなものを手に入れることはできないだろうから、父王も悪い考えを捨てるだろうと考えていたのです。
 ところがどっこい、王様はあきらめませんでした。
 彼は国一番の仕立て屋ムウに命じて、太陽のように金色の聖衣と、月のように銀色の聖衣と、星のように輝く聖衣を作らせました。それから国中の狩人をして片っ端から獣を捕まえさせ、少しずつその皮を剥ぎ取って外套を作りました。
 全てが出来上がると王様はその外套を取り寄せ、王子の前に広げて、

ロス「明日は婚礼だ」

といいました。
 カノンは王の決心を変えられなかったことを知り、逃げ出す決心をしました。当然です。
 真夜中の、生きているものは何もかも眠っている時間に、大切な品の中から金の指輪と、かわいらしい金の紡ぎ車と、小さな金の糸巻きを手にして懐にしまいました。それから太陽と月と星の聖衣をパンドラボックスにしまい、あの毛皮の外套を着て顔と手にすすを塗りました。
 こうして全てを神に任せて出かけたのです。




 一晩中歩くと、とうとう大きな森に入りました。王子はへとへとでしたので、木のうろの中にすわってぐっすり眠りました。
 日が昇ってもまだ王子は眠っていました。そのうちに真昼になりました。
 ところがちょうどこの日に、森の持ち主である沙織女王が狩にやってきていたのです。女王の猟犬たちが木の所へくると、くんくんかいで走り回りながら吠え立てました。
 女王はお付きの者達に、

沙織「どんな獲物がかくれているか、見てきなさい」

と言いつけました。お付きのものはいい付けにしたがって見てくると、

辰巳「あの木のうろの中に、私たちがまだ一度も見たことの無い動物が寝ています。奴の皮は千種類の毛皮です」

といいました。女王は興味を覚えました。

沙織「それを生け捕りにできるかどうか試して下さい。もし生け捕ったら車の上に縛り付けて連れ帰りなさい」

 ・・・お付きの者がカノンをつかまえると、彼は驚いて目を覚ましました。そして女王に向かって、

カノン「私は父や母に見捨てられた身分です。哀れと思われるならどうぞ一緒に連れ帰って、飯の三杯くらい食わせて下さい」
沙織「・・・いいでしょう、千匹皮。ですがタダ食いはいけませんよ。行くところが無いのなら私の城で働きなさい」
カノン「望むところです」

 こうしてカノンは「千匹皮」なる新しい名前を賜り、女王の城の台所下働きとして雇われたのでした。




 千匹皮は長い間、本当にみじめな暮らしをしました。元は王子だったというのになんということでしょう。
 台所の料理番は年下のくせに、彼を「毛皮野郎」と呼んでこきつかうのでした。

邪武「女王様から目をかけられたからっていい気になるなよ毛皮野郎」
カノン「・・・・別にいい気になってなどいないが・・・・灰のかき出し役というのは目をかけられた人間のつく職場だろうか・・・?」

 ことあるごとに突っ掛ってくる料理番に千匹皮は閉口しました。何か計り知れない理由があるようなのですが考えるのも面倒です。
 『上司と合わないので退職します』。そんな辞表を書くべきかどうか悩んでいたある日のことでした。
 城に宴会がありました。

カノン「ちょっと上に行って見てきてもいいだろうか。戸の外に立っているだけにするから」

と、宴会好きの千匹皮は料理番に言いました。

邪武「フン、好きにしな。だが、30分たったらもどってきて灰をかき出すんだぜ」

と料理番が答えました。
 カノンはランプを持って自分の部屋に行くと、毛皮の外套を脱いで体のすすを洗い落としました。そこで何一つ申し分の無い美しさが元のように現れました。彼はパンドラボックスを開けて星の光を放つ青銅聖衣を着ると、宴会の場所へと上がっていったのです。
 この青年を知っているものは誰もなかったので、きっとどこかの王子だと思って皆は道をあけました。
 すると女王がやってきて青年に握手をし、一緒に踊りました。女王は心の中で、こんなに美しい男の人はまだ見たことが無い、と思いました。

女王「あなたはどこから来たのですか?」
カノン「遠くもあり、近くもある所からです」

 踊りが終わると青年はお辞儀をしました。そして女王が見回した時にはもう、彼の姿はなかったのでした。
 彼がどこへ行ったのか、誰も知りませんでした。



 光の速さで会場を抜け出したカノンは自分の部屋にかけこむと、いそいで聖衣を脱いで顔と手を汚し、例の毛皮を着てもとの千匹皮になりました。
 それから台所へ行って仕事に掛かり、灰をかき集めようとしましたが、そこで料理番に

邪武「それは明日までほっといていいから、女王様の召し上がるスープを作っておけ。俺もちょっと上へ行って覗いてくる。スープの中に髪の毛を落としたりしたら承知しねえからな」

と言われたので、ロクな料理の経験が無いながらもそこら辺の具材を適当に放り込んでなんとかそれっぽいものを作りました。
 鍋の中で真っ黒にぐつぐつ言っているスープは、恐ろしくてとても味見をする気にはなれません。しかしもし女王の不興をかったら料理番との仲がますます悪くなりそうです。
 色々と思い迷った末に、とうとう千匹皮は思いついて、実家から持ち出してきた自分の金の指輪を出すと、皿に入れて上からスープを注ぎました。女王の文句を封じるための賄賂作戦です。

 宴会が終わった女王は、ほどなくスープを運ばせました。一口食べてみますとそのおいしいことおいしいこと。大量に投入されたブラックタピオカが新食感です。あっというまに全部平らげてしまいました。
 空になった皿の中に、金の指輪が一つ転がっていました。
 こんなものがどうして入ったのかしら、と首をかしげて、女王は料理番を呼び出しました。料理番は突然の召喚に驚き、千匹皮に言いました。

邪武「お前がスープの中に髪でも落としたんじゃないのか!?」

 髪どころではない心当たりがある千匹皮は青くなりました。やっぱり賄賂はまずかったのかもしれません。真剣に考え込みます。
 その間に料理番は女王の前に出向きました。女王はこのスープは誰が作ったかとたずねました。

邪武「ええと・・・・俺が作りました」
沙織「そうではないでしょう。このスープはいつもと違う作り方で、ずっとおいしいですよ」
邪武「あ、そうですか。・・・・なら本当のことを申し上げますと、俺ではなくて毛皮野郎が作りました」
沙織「ではお前はさがって、その者をここへよこしなさい」

 千匹皮がやってくると、女王は尋ねました。

沙織「スープを作ったのはあなたですね」
カノン「・・・・・え、ええ」
沙織「中に指輪が入っていました。どこで手に入れたのですか?」
カノン「ゆ、指輪のことなど、私はなにも存じませんが」
沙織「知らないのですか?」
カノン「ええ、知りません」

 用件が贈賄容疑だと思い込み、必死に否定する千匹皮。
 女王は何もわからないまま彼を下がらせるより仕方ありませんでした。




 しばらくたつと、また宴会がありました。千匹皮は前と同じように見に行かせてくれと料理番に頼みました。

邪武「仕方ねえな。30分たったら戻ってきて、女王様にスープを作って差し上げろよ」

と料理番が答えましたので、千匹皮は自分の部屋に駆け込んで体の汚れを洗い落とし、パンドラボックスから月のように光を放つ白銀聖衣を出して着ました。
 宴会場へ上がっていくと、女王がやってきてまたあえた事を喜びました。二人は一緒に踊りました。

女王「あなたの名前はなんというのです?」
カノン「呼び名はいくつかございます。その一つをあなたは既にご存知ですが、それをご存じないのです」

 踊りが終わると青年はまた姿を消しました。なんと言っても光速ですので、どっちへ行ったのか女王も気がつきませんでした。
 青年は自分の部屋へ飛び込んで、もとの毛皮野郎に姿を変え、台所へ戻ってごたまぜスープを作りました。前回の分量など覚えているわけもありません。今回も全力で適当です。
 料理番が出て行った後で皿にスープを注ごうとした千匹皮は、はたと気づきました。
 ひょっとして、女王はまだこちらの贈賄を疑っているかもしれません。自分は女王に尋問されましたが、その次からぱったりと事件が途絶えてしまうとなると、露骨に怪しいのではないでしょうか。
 逆にしばらく犯行を続けた方が、第三者がやっていますという印象を強めていいかもしれません。
 そう考えた千匹皮は金の紡ぎ車を取り出し、皿に入れ、上からスープを注ぎました。

 女王がスープを飲むとそれは前と同じように大変おいしいスープでした。奇跡的です。
 女王は料理番を呼び出し、料理番は今度も千匹皮がこしらえたのだと本当のことを言わずにはいられませんでした。千匹皮はまた王様の前へ出ました。
 しかし、依然として贈賄を疑われているのだと思い込んでいるため、ひたすらにバックレるばかりでした。
 千匹皮は紡ぎ車のことなど何も知らないと言い、女王は何もわからないまま彼を下がらせたのでした。




 女王が三度目に宴会をしたときも、前の二回と同じでした。
 しかし料理番がこんなことを言いました。

邪武「毛皮野郎、お前は悪魔だ。いつもスープの中に何か入れて、そのせいでスープが美味くなる。女王様は俺の作ったのより美味いとおっしゃるんだ」

 あのスープが美味しかったという事実に衝撃を受ける千匹皮。そしてそれが賄賂のせいだと言われてさらに衝撃を受ける千匹皮。
 なんということでしょうか。女王は賄賂をちゃんと理解してくれていたのです。考えてみれば前の2回とも、最終的に女王は収賄していたではありませんか。
 となると、自分が呼び出された真の理由は、贈賄者をはっきりさせて昇進させてやろうという思し召しだったに違いありません。
 それに気づかずみすみす幸運を取り逃がしていたとは、頭をかきむしりたくなる事態です。
 カノンは3度目の今日こそ、己が犯人だと女王にはっきり告げる決心をしました。
 いつにない熱心さで上に行かせてくれと頼む千匹皮に、しぶる料理番もとうとうそれを許しました。




 カノンが太陽のように輝く黄金聖衣をまとって大広間へ入っていくと、もう女王が待っていて一緒に踊りに来ました。女王は青年が今日ほど美しく立派であったことは無いと思いました。
 一方カノンの方は、女王のうっとりとした顔を見て、間違いなくこの人は金に弱い人種だと確信しました。指輪も紡ぎ車も両方とも金だったのですから、心に沿わなかったはずがありません。やはり賄賂は有効でした。
 心中複雑にすれ違いながら手に手をとって踊る二人。

沙織「あなたは一体なにものなのです?」
カノン「あなたの未だ知らぬ人間、そしてあなたが既にご存知の人間です」

 青年があいかわらずはぐらかした答えをするその一瞬に、女王はそっと気づかれぬよう、金の指輪を取り出して彼の指にはめました。
 踊りはなるべく長く続くように前もって言いつけておきました。
 踊りが済んだ時、女王は青年の手をしっかり握っていようと思ったのですが、青年はそれをむりにふりきって、すばやく人ごみの中に飛び込み、女王の見えないところへ行ってしまいました。
 しかし女王は慌てません。青年はまだそう遠くへは行っていないはず。城の内外を問わずこの付近で金の指輪をはめた男を探し、連れてくるよう家来達に命じました。



 大急ぎで自分の部屋に駆け込んだカノンは、30分より長く上にいたのでもう着替えている暇がありませんでした。
 そこで黄金聖衣の上から例の毛皮の外套をかぶりました。また、慌てていたのですすもよく塗れず、指一本分だけ白いままでした。
 千匹皮はそのまま台所に飛んでいって、相変わらずの適当さでスープをこしらえました。そして料理番がいなくなると、もう今日は何一つためらうことなく金の糸巻きを皿に放り込み、スープを注ぎました。


 いくらもたたぬうちに女王は皿の底の糸巻きを見つけることになりました。3度までも異物混入とは何ということでしょうか。誰がやったにしろ、スープの管理者に責任があることは確かです。女王は千匹皮を呼び出しました。
 入ってきた千匹皮を見た女王は、彼の指が一本だけ白いことに気づきました。
 そしてあろうことか、その指にはまっている金の指輪まで見えました。女王はとっさに飛び出してその手をつかみ、離すまいとしました。
 驚いて身じろぎする千匹皮。
 毛皮の外套がはだけて、太陽の光をはなつ聖衣がきらきら輝いて見えました。女王が外套を捕まえて脱がすと、青年はとても華やかな姿でそこに立っていて、もう隠しようがありませんでした。

沙織「・・・・・汚れを落として来て下さい」

と女王は言いました。
 カノンは全身から冷や汗が噴出すのを感じました。台所下働きの分際で宴会にもぐりこんでいたことがばれてしまったのです。
 しかも自分の指を見れば、いつの間にやらあの金の指輪がはまっているではありませんか。
 カノンは戦慄しました。渡した賄賂をつっかえされたとは。
 女王はやっぱり賄賂断罪派だったのです。あの料理番の言葉も、彼女の仕組んだ贈賄犯いぶりだし作戦に違いありません。うっかり引っかかってしまった己の愚かさを呪いながら、カノンはすすを洗い落として女王の前に戻りました。
 汚れを落としたカノンは、この世ではまだ誰一人見たことの無いほど美しく立派な若者でした。
 女王はにっこり笑って尋ねました。

沙織「今まで、私のスープに指輪や紡ぎ車を入れたのはあなたですね?」

 ここに至れば仕方がありません。カノンは正直に吐きました。

カノン「そうです」
沙織「どうしてそんなことを?」
カノン「・・・・・・私の口から敢えて申すまでもありません。あなたのお察しの通りです」

 お察しの通り、と言われて何も察していなかった女王はうろたえました。どうもわかっているのが当然のようです。それがわからないから聞いたのですが。
 なんでしょう。何か心当たりのことがあったでしょうか。このままでは機知に乏しい女と思われてしまいます。
 あわてて考えた女王はとうとう一つの結論を出しました。
 この青年は宴会のたびに自分と一緒に踊ってくれました。心をこめてとてもおいしいスープも作ってくれました。それも何の恩着せがましいそぶりも見せず、正体を隠して控えめにです。スープに投入されていた異物だって、針や虫ならともかく金の細工物でした。
 となれば、これはちょっとしたパーティージョークのプレゼントに違いありません。
 宴会のたびごとにそんな手の込んだことをしてくれるのですから・・・・ひょっとしてこの青年も自分の事を想ってくれているのでは。
 女王はためらいがちに尋ねました。

女王「あの・・・・その・・・・私を想ってしてくださったことですね?」
カノン「むろんです!」

 善意の賄賂を強調するカノン。「おもう」の意味を履き違えています。
 しかし女王はそれを愛の告白と受け取って嬉しくなりました。

女王「それでは、私はあなたの望みをかなえて上げましょう。どうぞ望みをいってください。遠慮なく」
カノン「望み・・・ですか・・・?」

 女王としてはここで相手からプロポーズの言葉を聞きたいところです。
 対してカノンは予想外の展開に戸惑いつつも、喉元までせりあがってきた「だったら無罪放免でお願いします」の言葉をギリギリ一杯飲み込みました。何と言っても相手は罠まではって自分をはめた女です。逃がしてくれなどと言ったら、贈賄の上に無責任というレッテルを貼られ、情状酌量の余地もなくなるでしょう。
 カノンは運を天に任せて答えました。

カノン「・・・・何事も、あなたのお望みのままに」

 女王は衝撃を受けました。自分の望みのまま・・・ということは、もしやこれが音に聞く気持ちの押し付けはしないというやつなのではないでしょうか。
 確かに女王はまだ何一つ青年に愛を語っていません。こちらは女王、あちらは台所下働き。何の根拠も無く自信を持てという方が無理です。二人の差を一挙に埋めるチャンスにさえ、青年は己の想いよりも大切な人の気持ちを尊重しているのです。
 なんて謙虚ないい男。
 女王はついに玉座から駆け下り、青年の手を取りました。

沙織「ああ、それでは私からお願いします。どうかこの私の夫となって、共に国を治めて下さい千匹皮
カノン「・・・・・・・は・・・・・・・・・・・・?」

 カノンは唖然としました。そして唖然としたまま答えました。

カノン「・・・・はあ・・・・・・・・・・ありがたき幸せにございます・・・・・」


 正しい結婚は相互の誤解の上に成り立ちます。

 かくして二人はその後も絶妙のタイミングですれ違いながら、末永く幸せに暮らしましたとさ。



BACK