俺が俺であるために






  俺は蟹座のデスマスク。一応「正義と平和を愛するアテナの聖闘士」だが、裏切った過去2回。劇場版を入れると+1回。
 ・・・・・。
 どうしてだろうな。俺は俺なりに考えてやってるのに、結局いつもいつも失敗する。
 俺には俺の正義があるのに、誰も耳を貸そうとしやしねえ。
 っつーか、正義って何だよ。
 人間ばっかりが正義だの平和だの言いやがって・・・・・要するにそれは人間の世界には正義や平和がないって言うことなんじゃねえのか?
 だから皆が欲しがるんじゃないのか?
 ・・・・うざってえ・・・・・・
 あーあ。人間なんかに生まれるんじゃなかったぜ。




×    ×     ×     ×     ×





翌日。


朝目が覚めると、俺はこうなっていた。








 ・・・・・・ちょっと待て。

 これはナシだろいくらなんでも!!;
 人間嫌だとか思ったからか!?
 それで何でカニなんだよ!安易なんだか意表なんだかわからねえよ!!
 
 こうしちゃいられねえ・・・とにかく誰かに助けてもらわねえと・・・・!

 ・・・でも、この姿で俺だとわかってくれる奴いるのか?

 ちなみに俺は今最初のイラストと同じポーズきめてるんだけどよ。
 わかるか?アシの曲がり具合とかそれっぽいだろ!?

 まあそんなことはどうでもいい。それに、いくらなんでも同じ黄金聖闘士だし、一人や二人ぐらいは俺だってわかってくれる奴もいるよな!
 とにかく外にでて助けを呼ぼう!


















前に進めねえ・・・

そうだよな、カニだもんな。カニによっては前に進める奴もいるらしいけど、俺はそこまで高度な種類じゃないんだな。

・・・・なんか悲しくなって来たぜ。本当に俺だってわかってもらえるのかな。
つーか本当にこれは俺なのか?
自分で自信なくなっちゃ終わりなんだが・・・・・

その時だった。
巨蟹宮の入り口から足音が近づいてきた。

「デスマスク?いるか?」

おっ!この声はアフロディーテ!

デス「ここだ!」

と叫びたかったが、声はでなかった。ちょっとあぶくが出ただけで。
俺はただその場で待っているしかなかった。
足音はどんどんこっちへ来て・・・・
とうとう、アフロディーテの姿が現れ、俺と目が合ったのだった。

アフロ「!」
デス「・・・・」





私達は一目で恋に落ちました







落ちてねえよ!!

何だ今のテロップは!
 タチバナアキラの漫画じゃねえか!!

アフロ「か、かに・・・・?」

そうだ、カニだ。でも俺なんだよ!気づいてくれ!
気づいてくれアフロディーテっ!

アフロ「・・・・・・・・;」

アフロディーテは、その場に立ち尽くしたままじっと俺を見つめていた。・・・・






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