・・・いい加減水をかけまくって台所が湿っぽくなりすぎたところで、サガが出てきた。
サガ「お前達、バカなことをして騒ぐのはよせ。カニ一匹に何を慌てているのだ」
アフロ「しかしサガ・・・」
サガ「死んだら鮮度が落ちると言いたいのだろう?だったら死なれる前に殺ればいいだけのことだ。シュラ、適当にこいつを切って鍋に放り込め」
サガのアホ!外道!!偽善者!!
あらん限りに俺は叫んだつもりだったが、やっぱり口から出るのは泡ばかり。
シュラ「結局俺か・・・」
サガ「早くしろ。泡を吹いている。そろそろやばそうだ」
やばいのはてめえだ!!
シュラ「仕方ない。やってやろう」
やめろ!来るなシュラっ!
くそっ、俺が誰だかわからねえのかよっ!?
お前そんなに友人を食いたいか!?つーかそんなにカニが食いたいのかお前ら!?
逃げ場を探して眼をキョロキョロさせる俺の前に、シュラが立ちはだかった。
右手が・・・エクスカリバーがゆっくりと振りかざされる。
シュラ「カニ・・・悪く思うな!」
デス「っ!!」
カッ!!
シュラ「なっ・・・!これは、真剣白羽取り!?」
リア「馬鹿な!黄金聖闘士の拳は光速のはず!それを受け止めるとは、このカニも光速を身につけているということか!」
バラン「いや、ありえないだろう、そんなこと・・・」
アフロ「しかし、現実にカニがシュラの拳を!」
サガ「皆、気をつけろ!こいつはただのカニではないぞ!」
・・・ただのカニなんだけどな、一応・・・
俺が中に入ってるだけで。
それにしても・・・・シュラと互角に渡り合うって、ひょっとしてこの格好の方が強くないか俺・・・・?
戦慄し、遠巻きに陣を構える同僚を眺めつつ、俺はかなり冷や汗をかきながらうずくまっていた。